貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜
あたしは無言のまま、江緑君の後ろに着いていく。
…後ろからでもわかるのだが
ハリウッドスターが通るように中央の道が開いている。
…一体この人はなんなんだろうか…
悪魔にしか…見えませんよ??
それか…ずる賢い人…賢い彼氏。
いや
貸し恋彼氏って文字の方がぴったりだね。
意外にセンスのあるネーミングに満足し、江緑君を見ると不意にニヤけてしまう。
「――…あの人マジで彼女なんだ…」
横で通りすぎた女子があたしを見て呟く。
あ――…
あたし、呼び出し食らってますよね??
確か昼休み。
これは伝えておくべき??
いや…いいや。
この呼び出しのおかげで契約解除になるかもしれない。
だったらむしろWelcomeじゃん!!
呼び出しなんざ、いくらでも受けたるさ!!