貸し恋彼氏〜カシコイカレシ〜
まぁ、言うまでもないが、六穏時 江緑はモテる。
この人が歩くと、必ず女子がついてくる。
一人の時なんて見たこと無い…。
そんな人と、あたしは…席が隣なのです。
六穏時 江緑がいると、ろくな事が無い。
優秀な彼の隣で、授業中居眠りをするとかなり目立つ。
そして、昼休みは、女子の群れで、あたしの机は埋もれてしまう。
……大変だ。
皆はカッコいいだの、イケメンだのと、顔を赤らめて視線を浴びせているが
あたしにとっては迷惑だ。
落ち着いて自分の席に着く事なんか出来た試しがない。
ほら…今日も何人かの女子を連れてきて隣に座る。
「鎌等さん、おはよ。」
ニッコリ笑う六穏時 江緑。
あんたのせいでこっちは迷惑なんだっつーの!
内心、そう思いながらもあたしは
「おはよ」
と言った。