メガネ夫婦
車に乗り込むと
いつもはほんわかとした雰囲気の桜田が
キリキリとした雰囲気を放ってるのが
鈍い彼女にも伝わった
「せん、せ?」
長い沈黙
「藤宮」
「は、はい」
桜田の眼は今までに見たことのない
とてもこわいものだった
「あの先生とは、ほんとにお隣さんってだけなのか?」
怖がる彼女の表情を確認した桜田は
だんだんとつらそうな表情に変えた
「肉じゃがって、なんだよ」
彼女は笑った
誤魔化すのはなれている