人魚姫の嘘
『元気ない顔ね…
これからどうするの?
ワタシはリースがどう動くか
気になって仕方ないんだよ
ワタシをガッカリさせないで』
《じゃあ何をするか言うわ》
魔女は口元を上げて
ニタァ…と笑った…
《私は、王子が好き
だからサラが邪魔なの
つまり…》
『つまり…』
《サラを殺す》
『フッ…アッハハハハ!!
サラを殺す!?
こりゃあ楽しみだわ
可愛い可愛いリースちゃんが?
プッ、人を殺せるのかい?』
《私も驚いてるわよ》
『まちな…
何故、薬がいる?』
《サラは拳銃を持ってる
かすり傷でも痛いもの
って私の体には少なからず不死身の
血が流れてるから…心配ないけど》
『フッなるほどな
睡眠薬は王子にでも使うのか…
まあ楽しみにしてるわ
あ、そうそう
人魚の血は不死身と言っても
アンタはワタシの魔法で人間になった
愚かな人魚だ。だから
死ぬときは死ぬわよ』
そんなの
《解ってるわ》
『今日の日没が楽しみね』
そう言って魔女は消えた