人魚姫の嘘
ずっと泳いでいくと
段々と寒気がしてきた
魚も何もいない
真っ暗で前を見失うぐらい…
「こんな視界で
洞穴なんて分からないわ」
―グイッ!
「!!!!」
何かヌルッとしたものが
私の両腕を縛り
そしてそのまま
どこかに連れていかれた
視界が徐々に
晴れていく…でも
良い意味ではなく。
ゾッとするほどの
寒気と恐ろしさが感じられ
巨大な洞穴が見えてきた
洞穴の前でヌルッとしたものから
解き放たれて
それがタコだと
気付いた。もちろん
死んでいて…抉られていた…
酷い。
魔女の仕業で操っていたの?
震える手を押さえて
洞穴に入っていった