人魚姫の嘘
『ほら…コレを飲みな』
渡されたのは
瓶に入った真っ赤な液体
如何にも毒のような
「…これ…を…」
ニヤリと笑って
私に勢いよく近づいた
「なっ『毒だと思うか?』
ついさっき
毒を飲ませて殺した
と聞かされて…
毒ではないと思う者はいないのではないか
「…本当に…
これを飲めば人間になれる?」
『あぁー…勿論。
だが地上に出てから飲みなさい
そして今からは代償を決めよう』
きた。代償。
「何を…?」
『ワタシの顔を見てごらん』
髪に隠れて顔は
はっきり見えていなかったが
よく見ると
片目、片目で
全く別の目をしていて
鼻も高いんだか
低いんだか…
歪んでいる
口は大きく裂けている
まさに
魔女