人魚姫の嘘
「もう、あたし
この国に居たら
ダメなのかな……」
どうしてあたしは
こんな運命を辿らなければ
ならないの?
どうしていつも
最後は捨てられるの?
最低な母も
フランクもベラも
「どうして何も
信じてくれないの…」
あたしの頬を濡らすのは
いつの間にか降っていた
雨だった
「泣くことすら…
あたしには
出来ないの?」
そう
あたしは…
泣くことを忘れてしまったんだ
教会を出て森に入り
何かが見えるまで
歩き続けた
寒さと恐怖で
動かない足をなんとか
動かし
信じられない程
歩いた…