人魚姫の嘘
それからマリアに髪をとかして
もらって
温かくて美味しい
スープを食べさせてもらった
一口食べると
今までの思い出が
頭の中で流れた
また一口食べると
その辛かった想いが
涙となって流れた
「え!?さ、サラ!
どうしたのっ!?
泣くほどスープまずかった!?」
ブンブンと首を振った
「じゃあどうし「お」
「え?」
「…おぃしいっ…です……!」
絞りだすように伝えた
するとマリアは
何かを悟り
あたしの頭を撫でてくれた
「おかわりして良いからね」
優しく、とても心地よい響き
「はいっ…」
流れなかった涙が
やっと流れた…