人魚姫の嘘


夕方。みんなが学校や職場から
帰ってくる時間に
リビングにみんなを集めた



「どうしたのサラ?」


マリアは不思議そうにあたしを見た


「サラ、何かあるのか?」


一番上のお兄ちゃんが
質問する



「…は…話があるの…」



「「なに!なに!」」


下の子供達は楽しそうに
足をバタバタしている


「楽しい話じゃないんだ…
あたしの…過去の話」



どうしよう…
心に決めていたけど
みんなの目を見ると震えて
声が、出ない


こんな話。絶対聞きたくないよね



「聞かせて?サラ」


「安心して何でも話せよ」



マリアとお兄ちゃんの
笑顔が胸に刺さる



「…ぁたし…昔
7歳の時に親に見離されて
ある日地図を取りに家へ帰ったら…―」



あの事件をポツリポツリと
話始めた


そしてフランクとベラに
助けられ、捨てられた事も。


全てを話終えたとき
みんなはどんな顔をする?


あたしはどんな顔をしているだろう



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