人魚姫の嘘
ガタッ!
椅子から立ち上がるマリア
そしてあたしを強く抱き締めた
「マリ「小さい体で…よく頑張ったね…」
「…え…」
その言葉を聞いた時
身体中に取り付いていた
重い重い楔が…
―ほどけていくようだった…
また強く抱き締めるマリア
泣いてる…
「…サラはっ…ッ…
要らない子なんかじゃない……!」
あたしの肩に
涙が落ちるのが分かった
ポタポタ。ポタポタ。
落ちる涙が
流してくれるその涙が
あたしのための…涙
あたしのために
涙を流すマリア達を
守りたいと、
理屈じゃない
あたしの気持ちがそうさせたんだ