人魚姫の嘘
昨夜の嵐とは真逆の
眩しい朝日を浴びながら
あたしは海辺を散歩していた
家に居たって
考え込むだけ…
だから、気分転換。
ザザーン、ザザーン
海を眺めていると
浜に人が倒れているのが
分かった
「えっ!?」
急いで駆け寄ると
男性で顔に怪我があるものの
とても整った顔立ちだった
魅了されるほど。
どうやら息はあるようで、
着ている服装からして
金持ちだと確信した
「王子ー!」
「何処ですか王子ー!」
向こうで声がした
助けかしら?
「うっ…」
!!
「あの、大丈夫ですか?」
「君が俺を助けてくれたのか?」
「あの…どうゆ「!!…君、あ、遮って
すまない。えっと…
何か言って!」
「は?…んと…
おはようございます
大丈夫ですか?
ってこれが「王子!!」
振り向くと着飾った
人達が沢山いた
「おお!貴女が王子を?」
え…?
「あぁそうだ、君、名前は?」
「…サラ…」
「よし。サラ…ゲホッ
ちょっとついて来てくれないか」
この時、確かに彼に魅了された
でもあたしの心には
金持ちを、何も知らない奴等を
壊してしまおう…と
悪魔の囁きが聞こえた。