人魚姫の嘘
悲劇姫の策
王子と話すうちに
時間はどんどん過ぎていき、
「王子、あたし
そろそろ家に戻らないと
朝からずっと居ないと
家族が心配するので…」
「あぁそうだったな
すまない。
サラと話をしていると
時間を忘れるんだ」
「あたしもです…」
その笑顔が
あたしの胸を締め付ける
「そうだ、もし良かったら
送らせてくれないか?
命の恩人に少しでも
お礼を…」
「ぁ…良いんですか?」
「勿論。俺がそうしたいんだ」
……仮面を被れ……
騙すんだ
金持ち達を…この国の王を
…王子を…。