人魚姫の嘘
「こんばんは
わたしはロバートと言います
ロバート・グラントです
突然お邪魔いたしまして
申し訳ありません
今日は貴女にお話が」
マリアはポカンとしていた
何故か、言わなくとも分かるが
突然扉をあけると
自分の娘と、この国の王子が
立っているのだから
「えっ…ちょっちょっ待って
何故あなたのような方が
此処へ?
……ハッ…まさかサラ
あなたが会っていた人って」
「そうなの…」
「初めまして」
「は、初めまして…」
まだ頭が追い付いていかないのか
マリアはおどおどしていた
その日
ロバートはマリアに
あたしが彼と婚約すると話した
突然続きだが
マリアはあたしの幸せを
誰よりも願っていたので
否定せずに認めてくれた
マリアはあたしを
じっと見ると抱き締めた
「あんなに子供だったサラが
もうこんな素敵な女性になったのね」
「…あたしは
いつまでもマリアの娘よ」
「当たり前でしょ…
…幸せになるのよ…」
「うん。マリア達も
あたしが必ず幸せにする」