人魚姫の嘘
あたしは早速
お城で暮らし始めた
その夜
ろうそくを一本
火を灯し、
廊下を歩いていた
曲がり角で男の声がした
近づくと…
普通の人間なら
聞いてはいけない話をしていた
あたしにとっては
最高の話。
「王は地下に?
ならば暗殺も容易い」
「はい。地下には
この城の全財産が保管されており
城の召し使いの中で
場所を知るものは未だ存在していません」
「必ず見つけ出せ」
「はい。ただ…
知る者が1人だけ」
「誰だ?」
「王子です」
「王子を殺すわけにはいかない
ほっておけ
王は必ず始末しろ」
………ここまで聞けば
もうあたしのモノだ