ツンデレくんは王子様 短編
奈々side
目の前にいる正宗は私から目をそらしている。
可愛い。
さっきまでのかっこいい正宗が嘘みたい。
「何笑ってんだよ!!」
「笑ってた?」
「おもっきり笑ってた」
「そかな?だって正宗可愛いんだもん」
「可愛いって褒め言葉じゃねーだろ」
呆れたように肩を落とす正宗。
「だけど、いつもサッカーしてる正宗はかっこいいよ♪」
正宗はまた、顔を赤らめる。
「ばーか」
そう言って正宗は屋上を出ようとする。
「ほら、お前も行くぞ」
体は前を向いたまま、顔をこっちに向ける。
「うん、ねぇ正宗、好き♪」
そう言って私は正宗にキスをした。
もちろん唇に♪
「バッ!お前なぁー」
顔の赤い正宗が怒ったって怖くない。
「ねぇ、ホワイトデーのお返しはキスがいいなぁ」