Dear.
「 あたしだって、苦しくなるんだよ? 」
そう言うと、驚いた顔をして
あたしのお腹に手を添えて
「 コイツ、出てくるときは
本気で苦しいんだろうな 」
龍弥は苦笑して、悲しそうな顔をする。
「 俺には、どうにもできねーよな・・ 」
「 え? 」
龍弥の手があたしの手を包み込んで、
顔を上げたあたしと龍弥の目が合う。
「 男の俺には痛みも苦しみもわかんねーし
医者でもなんでもないから和らげることも
本当に何にもできねーのが
すっっっ・・・・げぇ悔しい 」
ぎゅっと強く握られた手。
幸せは増すばかりで、
苦しいなんて思いもしなかった。