Dear.




ガチャッ






電話を終えた彼が戻ってきて
泣き崩れるあたしを何も言わずに
自分の胸へ抱き寄せた。









「 ・・・不安だよな? 」






あたしの心を見透かしたように
龍弥も悲しい顔をしていて、








「 俺も、頑張るから 」






ポンポンと頭を優しく撫でられて
彼にぎゅっとしがみついた。
震えているのは、あたしなのか
龍弥なのか分からない。










けど、龍弥も不安なんだ。






< 4 / 60 >

この作品をシェア

pagetop