Dear.




「 名前、何にしようか? 」





そっと子供をあたしの腕に抱かせると
子供の額にそっと触れながら
”ん?”とあたしの顔を覗き込む。






「 龍弥って強そうな名前だよね 」





あたしが不意に呟くと、一瞬
驚いたような顔をした彼が笑いながら






「 実際弱くもないだろ? 」





そう言うから、つい笑ってしまった。
強ち間違ってはないんだと思う。






「 そんな名前がいいな・・ 」


「 えー・・真っ直ぐ生きてほしいな 」


「 えー?・・・聖弥とか? 」


「 せいや? 」





”真っ直ぐ生きてほしい”
正直、その一言に感動した。
彼のなかなか見れない柔らかい表情が
優しい、父親の本音を聞かせてくれる。








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