ただ君だけを想う。
「……で、拓海くんが私に頼みたいことって、何?」


遠回しに聞いても拓海くんはちゃんと答えてくれないから…

ストレートに聞いてみた。


『あー…、実は…さ、』


言いにくそうに言葉を出す拓海くん。


何かここまで戸惑った顔をされると

これから何を言われるのか不安になるよ…。


でも……


『実はな、俺の友達が海音を一回見て…
一目惚れしたらしいんだ…』


拓海くんの一言で言葉が出なくなる


「え…?」


『で、どうしても会ってみたいって言うから。』


「ちょ……」


『一回会うだけ会ってみてくんねーかな。』


「でも…、私…」


『わかってる。海音が愁を好きなこと。』


「だったら…」


『でも、そいつ結構本気なんだ。
それに海音も、たまには違うやつと喋ってみるのもいいと思う。』


拓海くんの表情はなんとも複雑だった。


拓海くんの気持ちが凄く伝わって来る。


私の気持ちと、お友達の気持ち、どっちも考えて…


「………」


『会うだけ会ってみてくれねーかな…?』


「…わかった」


だから了承した。



< 102 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop