ただ君だけを想う。
「へぇ。そんなことがねぇ。」


茜は私の話に特に驚くこともなく、
前の席に座って空を見上げてる私とは逆に教室を見渡していた。


「ま、二人は素直だから?上手く隠してたようだけどー、何かあったことはバレバレ。」


そうですか。


「私はどうしたら、いいのかな…」


誰かが答えをくれる問題ではないとわかっている。


わかっているのに、


どうしようもないくらい弱気になって、
誰かに助けて欲しいと思ってしまってる自分がいる。


「こればっかりはね。愁斗の気持ち次第だし…。」


「そだね…」


「まぁさ、答え聞くのは勇気いるけど、
愁斗の気持ちを聞くしかないよね。」


「うー…。恋愛って難しい…」


そんな私の呟きを聞き逃さなかった茜が、一言言った。


「でも、止められないのよね。」



ほんとに、
その通りだ―――…。


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