ただ君だけを想う。
「なんかねー、
一年の子に告られたらしいよー!」


「えっ、まじでー!?」


「まぁ中森くんカッコいいもんね!」


密かに狙ってたんだけどなー!
なんてきゃっきゃっと騒いでいる。


愁ちゃんが告られたらしいこと、
クラスの子が密かに愁ちゃんを狙っていたという二つの出来事に、


私はもう訳がわからなくなりそうだった。



それでも一番気になるのは、


愁ちゃんが何て答えたか―…、だ。


「で、中森くん何て答えたの?」


そんな私の思いが通じたかのように、
話を持ち出した子に一人の子が聞いた。


「それが―――…、」


キーンコーンカーンコーン、
キーンコーンカーンコーン。


「やばっ、次古典じゃん!」


「え~、超めんどくさっ」


答えを聞く前に、
授業が始まってしまった。


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