ただ君だけを想う。
「海音、大丈夫…?」


茜が心配した声を掛けてくれる。


それに私は笑顔で答えたけど、


「大丈夫大丈夫!」


内心は…、


心臓がはち切れそうだった。


『授業、始めるぞー』


古典のかっこよくも何ともない年配の先生が
やる気無さそうに教室へ入って来て、

すぐに授業を始めようとしている。


だけど私には、
それさえどうでも良かった。


さっきの話が気になり過ぎて、

授業に集中出来なかった。




「(愁ちゃんは、)」



何て、答えたの―――…?



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