ただ君だけを想う。
「あ、柏木くん今月の27日って空いてる?」


『27日?土曜日だよね?特に無いよ』


「じゃあ!…一緒にお出かけとか、したいな…」


ほんとは記念日の26日にしたかったけど、26日は金曜日だ。


授業もあるし、疲れているだろうからせっかくなら土曜日1日一緒にのんびり出来たらいいなと思ったのだ。


『………じゃあ、さ、もし、海音が良かったらだけど、26日俺ん家に泊まって、土曜日1日出かけない?』


「…………え!!?」


『…………………』


思わず聞き返しても何も答えてくれない柏木くんを見ると、今聞こえたのは幻聴では無いらしい。


それって、それって………!?


『や、実は母さんに彼女いるって言ったら興味津々でさ。家に連れてきなさいだとか言われて。』


「と、泊まっちゃっていいの…?」


『母さんとか家族いる方が海音も安心でしょ?海音さえ良ければ、だけど。』


「(あ、安心て………)?」


安心て言葉にはちょっと引っかかったけど、両親にちゃんと私のことを話してくれてるのが嬉しかった。


というわりに私は未だに話せていないのだけど。


それも恥ずかしいからなんだけどね。


まぁ花音にはバレてるけど。


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