ただ君だけを想う。
『あっれ~?珍しく愁が女と喋ってると思いきや、幸せ絶好調と噂の日比野海音さんじゃないですか~!?』


こちらも聞き慣れた、けれど久しぶりな拓海くんが、良い意味でも悪い意味でもタイミング良く登場した。


しかも、よくわからない絡み付き。


「拓海く、ん…」


『おーおー、実際の所どうなんだよぉ、この野郎~。』


変わらない拓海くんは、うりうりと私のことを腕で突っつきそう言った。


どうしたものか…と考えていた私だったけど。


「はいはい、そこ。セクハラは止めてください~」


背後からそんな声と共にバシッという良い音が響いた。


『って~…』


その後に拓海くんが頭を抑えてしゃがんでいるのが視界に入った。


「…!?」


何事かと後ろを振り返ると、そこには昨日も会った茜がいた。


「茜…っ?!」


「海音と愁斗おはよ~!」


爽やかにそう私と愁ちゃんに挨拶をした茜だったけど、茜さん今もしかして拓海くんに何かした…?


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