ただ君だけを想う。
「ところで何で廊下で喋ってるのよ?」


茜の言葉でハッとする。


「そいえば、愁ちゃん何か用事あったんじゃない?」


一限の前には朝のHRがある。にも関わらず教室を出てきたということは、何か用事があってどこかへ移動しようとしていたということになる。


『あぁ、そう言えば。部活のことで呼ばれてたんだった。』


「あ、そうだったんだ。ごめんね、引き止めちゃって。HRまで時間無くなっちゃうね」


『や。海音が気にすることじゃねーし。でも行かないと怒られるから俺行くわ。』


「うん。」


拓海くんと茜がいてくれたから、普通に会話出来た。


『行ってら~』


同じ男バスのはずの拓海くんは、へらへらとそう言って愁ちゃんを見送っていた。


そんな拓海くんへまたもや冷たい茜の言葉。


「あんたもまだバスケ部じゃないの?」


『まぁ~そうだけど~。俺は部長じゃなかったしね~』


私たちバスケ部はまだ正式に引退はしていない。


と言っても大会などは終わってるので、引き継ぎみたいなもので残っている感じだ。


毎日参加しなくても良くて、参加出来る時はするみたいな感じ。


それでも愁ちゃんはほんとにバスケが好きらしい。


今でも欠かさず部活に出て、後輩に教えたり自分が体を動かしているそうだ。

それを愁ちゃんファンが嬉しがっているらしい。(これは噂好きな理央情報。)


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