ただ君だけを想う。
『秀ー、やっと見つけたぞ。』


そんな時、タイミングよく秀ちゃんも誰かに呼ばれた。


『おっと、俺も友達待たせてた。』


「ダメじゃん。」


『うるせーよ』


そう言って秀ちゃんは私の頭の上に手を乗せた。


そして髪の毛をくしゃくしゃにする。


「やめてよぉ!」


『はは。じゃ、またな!海音!』


「う、ん…」


“またな”か…。


クラス、一緒だったらいいな。


単純にクラス一緒だったら楽しそうと思った。


『たく、秀。何女の子とイチャついてんだよ。』


『そんなんじゃねーよ。』


彼が友達と歩いて行く後ろ姿を見ながら、


そう思っていた。


でもそんなことよりも、私は何とかしなきゃいけないことがある…。



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