ただ君だけを想う。
一年前の夏――…


夏休みに入り…いくら同じバスケ部、同じ体育館でやると言っても、


男子と女子では日程も時間も違っていて…


中々愁ちゃんに会えなくなっていた。


部活が終わり体育館を除くと…


ダンダンッ―…


「いた…」


部活前に誰よりも早く来て…

自主練をしている愁ちゃん。


いつも何でもこなしちゃう愁ちゃんだけど…


実は誰よりも努力していることを私は知っている。


中には入らずにジッと隠れて体育館の入口から

愁ちゃんのプレーを観察していた。


そんな私に誰かが声をかけた。


『んなとこで隠れて見てないで入ってくればー?』



< 77 / 218 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop