ただ君だけを想う。
「えっ、なんで…」


それは私が見ていた愁ちゃん本人で…


『視線感じてたし。海音バレバレ。』


ちょっと苦笑いな愁ちゃんに思わず謝った。


「す、すいません…」


『ま、いいけど。…で、いつまでそこにいんの?』


「あ…。」


私は体育館の入口に隠れていたことを思い出した。


『女バス練習終わったんだろ?』


「うん」


『帰らねーの?』


「愁ちゃん見つけたから見てた」


『なんだそれ。せっかくだからなんか対決しよーぜー』


笑いながらそう言った愁ちゃん。


「やだよ。」


『いいじゃん。付き合ってよ。』


「だって愁ちゃん強いもん。負けるし」


『いいじゃん。はい、決定~☆』


そう言ってまだ入口に隠れていた私を体育館の中に引っ張った。



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