ただ君だけを想う。
『愁斗とはバスケ部入って仲良くなったんだよ』


知ってて相談に乗ってくれた。

友達ということは言わずに…。

優し過ぎるよ、大地…。


『てかさー、3人で話進めるの止めてくれる?』


あ、最初に声をかけて来た人。


すっかり忘れてた…。


えーっと、確か…


愁ちゃんといつも一緒にいる…


んー、んー、んーっと…


わ、わからない…。


『うん、俺のことなんて知らないよね。…愁しか興味ないだろうし。』


最後の方は私にしか聞こえないように私に近寄ってそう言った。


えぇ、何を言って…!?


「あああの、」


『嘘々。俺は橘 拓海(タチバナ タクミ)。愁の良き理解者かな?』


笑いながらそう言った橘くん。


「あ、日比野海音です。」


『知ってるよ~。
海音チャン学校でもバスケ部でも有名だし、
入学式の日に愁と喋ってたでしょ。』


「あ…、」


そっか。愁ちゃんを呼びに来た人だったんだ…。


いつも愁ちゃんと一緒にいたから

何となくは知ってたんだけど…


あんまり関わることなかったから…。


『ま、これからよろしく♪』


「よろしくお願いします…」


フラれたのに…、

落ち込む隙もなかった…。



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