ただ君だけを想う。
次の日―…


昨日は帰ってからあまり泣かなかった。


それはあの時、気まずい空気の中を大地と橘くんが明るく入って来てくれたからで…


自分がまだ実感していないわけではない…。


ちゃんとわかっている。


でも、嫌いじゃないのなら…

まだ私にも見込みはあるんじゃないかって…

しょうもない希望が捨てられない。


『あれ~、海音チャンじゃん』


振り向くと愁ちゃんと橘くんがいた。


「あ…愁ちゃん、橘くんおはよう。」


いつも通り…挨拶してくれますか…。


私が怖かったのは…


愁ちゃんとの関係が変わっちゃうんじゃないかって…

それだけだった。


いつも通りに戻ってくれるなら…


私はもう愁ちゃんに気持ちは伝えない。


『はよっ』


愁ちゃんのいつも通りの笑顔に安心した。


『海音チャン、朝からいい笑顔だね~』


「橘くんこそ明るいね」


『まーね~。あ、俺のことは拓海でいーよ?』


「あ…、じゃあ拓海くん…で」


『ま、それもありかなー♪』


『お前は何が言いたいんだよ。たくっ。』


でも…、


少しでいいから…


少しだけ……


女の子として見てほしいよ…


―――――………



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