ただ君だけを想う。
『今回はガチの頼みだから!』


そんなの信じられるわけがない。


だって、毎回そのセリフ言ってるし。


『なー、頼むよ。海音にしか頼めないんだって!』


も~、うるさいなぁ。


無視を決め込んで教室へと足を進める。


『とりあえず話だけ聞いて!お願い!』


「……っ」


思わず足が止まってしまった。


私は“お願い”という言葉が苦手だ。


どうしても無視出来なくなってしまう…。


『なっ、頼むよ!』


ほら、また…。


「話…聞くだけだからね。」


そんな私の言葉にとてつもなく笑顔で返した拓海くん。


『さんきゅ♪』


あぁ、私ってダメだ…。



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