ふたりの恋・・・恭介SIDE
京真はその言葉を聞いて、瞬時に顔色を変えた。
京真が女の事でこんなに焦って、切なそうな表情をしたのは初めてで。
京真のマジ度がよくわかった。
京真は、リサに手を伸ばす。
何も言わないけど、きっと、「待ってくれ・・俺が好きなのはリサなんだ」って言ってるんだろう。
俺は・・・
京真にリサは渡さない。
京真の手がリサに届く前に、俺はリサの腕を掴んだ。
そのまま店を出て、リサに言った。
「・・なんか、ごめんな?」
リサだって、京真の手を待っていたんだと思う。
俺はそれを阻止してしまったから・・・
でも、リサは逆に俺に謝ってきた。
「あたしこそ、色々ごめんね。京真とあんなふうにさせちゃって・・・」
なんで、こんな時に人の気遣いが出来る??
俺が勝手にやった事なのに・・・
そう思ったら、リサに俺の気持ちを伝えたくなった。
「なぁ、リサ・・・あのさぁ・・・」
俺は、リサが好きなんだ。俺だったら、京真みたいに泣かせない・・・
そう言いたいのに、言葉が出なかった。
京真は、俺の親友。
リサは、親友の彼女。
・・・切なすぎる・・・俺。