Good-bye my lovely boy



(この間は痴漢だったけど、また?)


梓は眉間に皺を深く刻んで
喧騒を睨み付ける。


11月頃もざわめきに視線をやると
同級生が痴漢を受けて
周りに弱々しく助けを求めていた。
見て見ぬふりも出来なかった梓は
人を掻き分け、男の腕を捻り挙げた。


それから梓は学校の女子の間で
ヒーロー呼ばわり。
ちやほやされて、少し面倒だったが
邪険にされるよりまし。
と今ではその状況に流されている。


(また、騒がれるようなことなら、面倒かも…)


そう思いながらも
状況を把握しようとするその目は
未だ喧騒をとらえる。
梓を突き動かすのは
正義感。


昔、幼なじみを
助けていた
それと似ていた。




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