Good-bye my lovely boy
「うるさい。迷惑。解る?言いたいことがあるなら、的確に静かに言え。」
男はまだサラリーマンの胸ぐらを掴み
意味のわからないことを喚く。
サラリーマンと男子学生は突然の梓の登場に
面を食らっていた。
「黙れ。見なさいよ、こんな小さな子怖がらせてみっともないと思わないの?手、放して。落ち着きなさいよ。」
睨み付ける梓を目にとらえ
男は梓にむかい喚き散らし
手を向けた。
胸ぐらを掴まれると思った梓は
反射的に腕でそこを守る。
ところが予想外に男の手は
そのまま梓の手を掴み挙げた。
(こんの、親父っ)
サラリーマンは必死で梓から手を放させようとするが
梓と同じく160cm程の背丈が
180cmを越える巨漢に
敵う筈もなく、背丈は男と同じ位の
男子学生は女の子の前に
立ちはだかり男から庇っていた。
「ふっ…ざけんなよ。」
梓がとうとう、手をだしかけたとき
男の拳が梓に向かっていた。
(あー、痛いかも。)
梓また流れに身をまかせた。