勇者様と従者さま。
「エヴァ様」
「は、はい?」
「…気をつけろ」
「え、何にですか?」
エヴァは驚いて顔をあげる。
アーサーは真剣な顔だった。
「この村、何かおかしい」
「魔物にやられてるからじゃなく?」
「ああ。…例えば、人がいるという話なのにまったく煮炊きの煙がない。聖堂にかくまっているというが、この中にも気配を感じない」
「え…」
思わず見渡すがたしかにそうだ。
「えっそれってどういう」
「わからん」
アーサーは顔をしかめた。
「だが、残念なことに俺の悪い予感は当たるんだ」
結局、夕食は遠慮して、簡単な保存食で済ませた。
疲れているエヴァは、寝台にもぐりこむとすぐに寝付いた。
「…、…」
深夜、何か聞こえた気がして、エヴァは目を開けた。
月光が窓から差し込んでいる。
眠い目をこすりながら見渡すと、部屋の中央に子供がいた。
「あなたは…」
昼間に2回見た子供だ。
初めてこんなに近くで見る。
真っ白な肌、髪も銀というより白だ。銀の瞳でエヴァを見つめている。
冷たく整った…整いすぎた顔立ちをしていた。
生身の人間とは思えないが、不思議と恐怖はなかった。
「どうして、わたしのところに来るの?」
子供は無言で背を向けた。
一度振り返る。
ついて来いということだろう。
エヴァは、寝間着に裸足のまま寝台を飛び出した。
「は、はい?」
「…気をつけろ」
「え、何にですか?」
エヴァは驚いて顔をあげる。
アーサーは真剣な顔だった。
「この村、何かおかしい」
「魔物にやられてるからじゃなく?」
「ああ。…例えば、人がいるという話なのにまったく煮炊きの煙がない。聖堂にかくまっているというが、この中にも気配を感じない」
「え…」
思わず見渡すがたしかにそうだ。
「えっそれってどういう」
「わからん」
アーサーは顔をしかめた。
「だが、残念なことに俺の悪い予感は当たるんだ」
結局、夕食は遠慮して、簡単な保存食で済ませた。
疲れているエヴァは、寝台にもぐりこむとすぐに寝付いた。
「…、…」
深夜、何か聞こえた気がして、エヴァは目を開けた。
月光が窓から差し込んでいる。
眠い目をこすりながら見渡すと、部屋の中央に子供がいた。
「あなたは…」
昼間に2回見た子供だ。
初めてこんなに近くで見る。
真っ白な肌、髪も銀というより白だ。銀の瞳でエヴァを見つめている。
冷たく整った…整いすぎた顔立ちをしていた。
生身の人間とは思えないが、不思議と恐怖はなかった。
「どうして、わたしのところに来るの?」
子供は無言で背を向けた。
一度振り返る。
ついて来いということだろう。
エヴァは、寝間着に裸足のまま寝台を飛び出した。