勇者様と従者さま。
「…シュリ、戻っていていいぞ」
エヴァよりさらに小さなシュリは人混みにのまれかけている。
アーサーが気遣うとシュリは首を振った。
「あるじが話し掛けるやもしれんからな。戻ったらあるじが一人で会話する変質者になってしまう」
「そうだな…」
アーサーはいたく同感して頷いた。
(まったく、エヴァ様には年相応の落ち着きというものが…)
「ひゃあっ」
「あぶない!」
アーサーは咄嗟に手を伸ばした。
エヴァが腕の中に倒れ込む。
走ってきた誰かにぶつかられたらしい。
「あ…ありがとうございます」
「…大丈夫か」
腕をつかんで助け起こしてやる。
小柄だとは思っていたが、こうしてみると意外なほどに小さい。
普段はやかましく動き回っているからだろうか。
「あるじ、気をつけろ」
「はい、シュリ…あの、従者さま?この手は?」
「エヴァ様を一人で歩かせると危ないから」
片側にシュリ、反対側にアーサー。エヴァは真ん中。
「シュリがお母さんで従者さまがお父さんで…、わ、わたし子供扱いですかー!?」
両側からため息の二重奏が聞こえてきた。
エヴァよりさらに小さなシュリは人混みにのまれかけている。
アーサーが気遣うとシュリは首を振った。
「あるじが話し掛けるやもしれんからな。戻ったらあるじが一人で会話する変質者になってしまう」
「そうだな…」
アーサーはいたく同感して頷いた。
(まったく、エヴァ様には年相応の落ち着きというものが…)
「ひゃあっ」
「あぶない!」
アーサーは咄嗟に手を伸ばした。
エヴァが腕の中に倒れ込む。
走ってきた誰かにぶつかられたらしい。
「あ…ありがとうございます」
「…大丈夫か」
腕をつかんで助け起こしてやる。
小柄だとは思っていたが、こうしてみると意外なほどに小さい。
普段はやかましく動き回っているからだろうか。
「あるじ、気をつけろ」
「はい、シュリ…あの、従者さま?この手は?」
「エヴァ様を一人で歩かせると危ないから」
片側にシュリ、反対側にアーサー。エヴァは真ん中。
「シュリがお母さんで従者さまがお父さんで…、わ、わたし子供扱いですかー!?」
両側からため息の二重奏が聞こえてきた。