勇者様と従者さま。
 アーサーは思わずよろけた。

「こ、こんな都会で…野宿か」

「ごめんなさいー!!」

「いや…もとはと言えばエヴァ様に財布を持たせた俺が悪かったんだ」

「…それについては我も同感だ」

「なんだか逆に傷つきます!」


 宿の前で話し続けるわけにもいかないので、三人は結婚式を見た広場に移動した。

「…多分、昼間ぶつかられたときだな。すられたんだろう」

「ごめんなさい…」

 エヴァは縮こまる。

「まったく…気をつけろよ」

「はい…」

「すぎたことだ、もういい」

 エヴァが顔をあげるとアーサーは呆れた顔をしていた。

 だが怒りの気配は見えない。

 エヴァはほっと胸を撫で下ろした。


 アーサーは再び口を開いた。

「…これからどうするか、だが」

「あっ、あの!わたしに考えがあるんですけど!!」

 エヴァが身を乗り出す。

「嫌な予感がするが…なんだ」

「シュリを質屋さんに預けるんです!」

 成り行きを見ていたシュリが硬直した。

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