導光


「それじゃあ、初授業
頑張ってくるのよ。
あんまり新しい先生
苛めちゃ駄目だからね。」




高岡先生はそう言って
笑いながら事務局併設の
講師室へ戻っていった。




「晃子、教室どこなん?」




あっ奏の存在を一瞬
忘れてしまっていた。
時々私は自分の世界に
入ってしまう癖がある。




「んーと、あっ、D教室。
結構狭い教室やわ。
思ってたよりあんまり
受けてないみたいやな。」




私たちの通う黄燐学院は
立地条件も多分に影響して
伸希館のこの校舎では
一番通っている人数が
多いの。 ざっと150位。




一学年大体50ってとこ。
なのにD教室って言えば
いつも10人くらいの授業で
使用している教室だよね。




ま、最初だし新任の先生だし
当然っちゃ当然かもね。


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