導光


「晃子、おそーい!
あっ奏も今日からか!」




教室に入ると一斉に
みんなに話しかけられた。
進度別対応クラスだから
もちろん全員同じ学校。




「ごめん、ごめん。
終礼長引いちゃってさ。」




適当に当たり障りない
言葉を投げ返す。
波風立たないように。




「晃子ちゃん、席隣だよ。」




声がした方に顔を向けると
そこには満里奈がいた。
寺内満里奈(テラウチマリナ)
私の唯一無二の親友。




誰も信じないと誓った世界で
満里奈と高岡先生だけは
信じてみたいと初めて思った。
かけがえのない大切な人。




満里奈は私と正反対。
入学以来常に成績トップ。
女の子って感じのとても
可愛い外見で、おまけに
性格まで最高ときてる。




まさに完璧な女の子。
逆立ちしたって追い付かない。
妬みの感情すら湧いてこない。
満里奈は私の大切な宝物。


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