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屋上からは校庭が見える。
ジャージの色は青。
蓮達のクラスは体育みたいだ。
「わかった?
都の前に怪我したくないから。」
「…正しいんだか、正しくないんだか。」
あたしがそう言うと、蓮は少し笑った。
「お前は?
オレも言ったんだから、お前もなんかあ
んだろ?」
「それは…。」
「歩斗のことか?」
見透かされたような気がした。
そんなにもあたしは薄い人間なの?
「…違う。」
「じゃあ、なんでそんな辛そうな顔…。」
「辛くなんかない。…苦しいだけだよ。」
涙がこみ上げてきた。
あたしって弱いんだね。
「バカ…。」
蓮のそんな言葉が優しく思えた。
「歩斗がね、告られたって聞いたの…。
それで、あたし…なんか…。」
「うん。」
「…変なの。
心臓が…苦しい。
歩斗のこと、考えたら…。」
上手く話せない。