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そんなあたしの話を蓮はちゃんと聞いて
くれた。
「やっぱ、歩斗のこと好きなんだ?」
「うん…。大好き。
もうわかっちゃったの…。」
…恥ずかしい。
大好きなんて…初めて言った。
「…アイツさぁ、断ったよ。」
「え?」
「告られてたのはマジ。
でも、アイツ…。」
なに?蓮…?
早く言ってよ…。
歩斗がその子をフッた理由がわかんない。
「なんで…?」
「…これはオレからは言わない。」
なんでそんなに焦らすんだろ…。
「…気になるんだけど…。」
「そのうち、アイツから聞けると思う
ぜ?」
風が吹いた。
結構強くて、蓮の持っていた授業のプリ
ントが飛んでいってしまいそうになる。
「よく聞こえなかった…。」
「いや、なんでもねぇよ。
それより、その泣き顔…どうにかし
ろ。」
「そんなこと言われても…。」