enjoy!

…言えない!言えるわけがない!
歩斗のことで泣いてたなんて…!

 「青春の葛藤ってゆーの? 
  なんか…屋上まで走ってたら…。」

 「あ、じゃあ、数学のとき…。
  愛華ってなにかしらやらかすよね~。」

 「…アハハ。」

…なんだよ、青春の葛藤って…聞いたことない!
その意味をわかるアンタも凄いわ、優奈。

 「お前ら、ダベってないで片付けろ!」

 「あ、ゴメン!」

あたし達が話に花を咲かせている間にごち
そうさまのあいさつをしたらしい。
あたしと優奈は急いで食器を片付ける。

 「ゴメンね!」

優奈の笑顔に男子はノックアウトだ。
優奈といると、男子に苦情を言われること
が少ない気がする…。

 「大丈夫~!てか、オレが崎本の片付け
  るか?」

 「悪いよ~。」

男子からはお姫様扱いだし。
凄いわ、この子…。

 「おい!愛華!早くしろよ。」

 「…はいはい。」

…あたしの扱いとまったく違うよね。
< 115 / 267 >

この作品をシェア

pagetop