enjoy!
「愛華、もう行ったほうがいいんじゃ
ない?」
「あ、うん。」
あたしは時計を見ながら言った。
もうほとんどの人は職員室の前にいるん
だと思う。
ほら、あの人たちってテニス大好きだし。
「おお。愛華がビリか!」
「いや、そんなビリとかいいじゃないで
すか…。」
男子の先輩のからかいにも、あたしはいい
加減慣れてきた。
まぁ、皆悪い人たちじゃないんだけど。
「…5日前ってことは、調整だよな?」
隣にいた蓮がそう呟く。
「ああ…。嫌だなぁ。
めいっぱいうたせてもらえないし!
なぁ、愛華?そう思わね?」
歩斗にいきなり話をふられて、声が上ずっ
た。
「ん、ああ…。そだね。」
「なんか…変な愛華!」
「んなことないですよ!!!」
ああ…日花梨先輩までっ!
ヤバイな、あたし。
態度に出てるよね…?
「愛華、今日の音楽で喉痛めたって。」
「え、蓮。」