enjoy!
バスが出発して5分後にはほとんどが爆睡。
歩斗はオレの肩に寄りかかって寝息をたて
て寝ている。
愛華も西田先輩も沈没だ。
…そういえば、愛華と歩斗はなんだかんだい
って両想いだったけ?
愛華は昨日、歩斗を想って泣いてた。
…アレは結構戸惑った。
歩斗は歩斗で、ずっと愛華が好きだった。
以心伝心…ってやつ?
でも、お互いの気持ちには気づいてないん
だよな…コイツら。
「…蓮…都大会…優勝だって…。
よっしゃ~。」
歩斗の寝言にオレは思わず吹き出す。
そんな簡単に優勝なんてできねぇよ…。
このアホ…。
都大会といえば、都には佐倉中の笹嶋さん
がいる。
全国にも出場したことのある有名な人だ。
歩斗によると、結構イケメンで愛華のこと
をナンパしたとか…。
…大丈夫なんだろうか、歩斗。
歩斗は顔はまぁまぁで、運動神経がいいけ
ど…勉強はまったく出来ない。
トータルで見ると、笹嶋さんのほうが断然
上だ…。
「蓮、起きてるか?」
「あ、はい。」
藤本先生がサングラスを外す。
…実際、そのサングラス似合ってなかったん
だけど。