enjoy!
 
 「そうですね!」

あたしはラケットバッグを背負った。

 「鍵はどっちが持つ?」

 「…あたし、なくしそうです。」

 「…じゃあ、あたしが。」

先輩は鍵をバッグのポケットに入れた。

 「お、お前らと向かいか。」

 「ハロー。ダーリン。」

 「バカ、なにがダーリンだ!」

向かいの部屋は今井先輩と和田先輩みた
いだ。
…それにしても日花梨先輩、今ダーリ
ンって…?

 「もしかして、和田先輩って日花梨先
  輩と…?」

 「なっ…!違うから!!
  コイツがふざけて…っ!」

 「うわっ、照れてんの?
  可愛い~。」

 「バカ!おい、日花梨!!!」

先輩はあたしの手をひいて、ロビーに向
かった。

 「…先輩、もしかして…。」

 「…これが大人の駆け引きってヤツだよ、
  愛華。」
< 137 / 267 >

この作品をシェア

pagetop