enjoy!

後ろで舌打ちが聞こえる。
…佐伯先輩だ。

 「深めのロブあげるぞ!」
 
 「お願いします!!!」

深いし速い…。
あんなの取れるわけ…。

 「よっと!」

一ノ瀬さんは右足で高くジャンプした。
しかも滞空時間が長い!
 
 「オラァ!!」

 「…やるじゃん…。」

後ろでごくりとつばを飲む音が聞こえた。
あんなジャンピングスマッシュ…。
抜群の体幹とバランス感覚がなきゃできない。

 「さすがだな、一ノ瀬。」

 「あざーすっ!!」

こっちを見て一ノ瀬さんは得意げに笑った。
…佐伯先輩のこと、挑発してる??

 「じゃあ、各コース始めてください!」

 「おねがいしまーす!」

最初に打つのは佐伯先輩だった。

 「さっきの一ノ瀬よりも深くお願いします!
  」

…佐伯先輩、かなりの負けず嫌いだもんね。

 「へぇ…言うじゃん。」

一ノ瀬さんの言葉にも熱がこもってる感じが
する。
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