enjoy!
あたしが蓮の顔についてる土を取ると、口
笛が聞こえた。
「お前ら、そーゆー…。」
「なっ…。違います!!!」
あたしは首を横に振って否定しても、一ノ
瀬さんが佐伯先輩にのっかってくる。
「お似合いだよ~♪」
「悪くないですね、そーゆーのも。」
蓮が少し笑っていった。
「ちょっと、蓮!!」
「冗談だって。」
あたしの頭を軽くこづいたあと、蓮はラケッ
トを持ってコートから出て行った。
「あ、先輩!!
もうそろそろ戻らないと!!」
「…だよな。
戻るか。ああ、一ノ瀬!
お前、部屋どこ?」
なんで部屋なんか…。
「オレ、2階の209号室。」
「そっか、遊びに行くわ。」
佐伯先輩が笑顔で言うと、一ノ瀬さんも笑顔
になった。
「おう、いつでも来いよ!」
「じゃあ、宿舎まで競争ってことで!」
あたしはそう言いながら走り出した。
「あ、ちょっと待てって!!」
2人の声が重なったのを聞いて、あたしは思
わず吹き出してしまった。