enjoy!

 「愛華、お前って蓮が好きなの?
  歩斗が好きなの?」

 「ええ!?」

今井先輩が突然そんなことを聞くのであた
しは声が裏返った。

 「なんか…怪しいな。」

 「そんなんじゃないって何回言ったら…。
  ただの幼なじみです!!」

自分で言った言葉が胸に突き刺さった気が
した。
…ただの幼なじみか…。

 「もっと素直になれって~。
  さ、行くよ!」

あたし達4人はエレベーターに乗って1階ま
で降りた。
合宿参加メンバー総勢で夕食らしい。

にぎやかなんだろうな…。
人数も多いし…。

 「うっわ…。」

 「ここ、本当にうちらいいんですかね?」

…想像以上に豪華すぎ。
ビュッフェなんて初めてだよ、あたし。

 「…自己負担かな…。」

 「さぁ…。遠慮しちゃうよな、なんか。」

あたし達はレストランの前で呆然と立ち尽く
していた。

 「あ、来た来た!!!
  愛華~、先輩!」

歩斗がお皿を片手に手招きしている。
…アイツってやつは…。
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