enjoy!

 「え?」

 「オレさ、地区予選の時…。
  愛華に一目惚れしたんだけど。」

…今なんて言った?

 「愛華のこと好きなんだよね…。」

 「冗談やめてくださいよー。」

またからかわれてる。

 「冗談じゃねぇって。マジ。
  オレと付き合わない?」

笹嶋さんの真剣な目から思わず目をそら
した。

 「いや…その…。」

“好きな人がいる”
この一言がいえなかった。

 「ま、ゆっくりでいいよ。  
  合宿中には返事聞きたいけどね。」

じゃあ。と言って、笹嶋さんはコートに
向かっていった。

あの人…本気なのか冗談なのか…イマイ
チわかんない。

 「どーすんだ、愛華ー!
  告られちゃったなー?」

 「!?
  今井先輩!!!!」

まさか…今の全部聞いてたの?

 「歩斗と笹嶋、どっちにすんの?」

 「…し、試合なんでいってきます!」

…冗談だよね?
笹嶋さんみたいな人があたしのこと好き
なんて…ありえないし。

…何考えてるんだろ、あたし。
なんで嬉しいとか…。
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