enjoy!
「詩歌!
試合だってば!!早く!」
「ええ~?遠田と話してたのにー。」
「早く行くよ!?」
大庭さんは中島さんに手を引っ張られて
コートに入れられていった。
…やっと1人で考えられる時間だ。
次の相手は佐倉の1番手…。
去年の新人戦では都でベスト8。
どの試合も油断はできない。
東さんの顔が頭に浮かぶ。
あの子…なんか怖い。
あの子が笑うと、背中がゾクッとする。
…気のせいなんかじゃない。
「よっしゃー!!」
大庭さん達…試合終わるの早いな…。
4-0か4-1ってところかな?
「遠田さん♪」
「あ、東さん…。」
東さんがにっこり笑う。
…あれ?今度は大丈夫だ。
「梨々香でいいですって!
そうしてくれたら、あたしも愛華ち
ゃんって呼びます。」
「あ…うん。」
ゾクッとするのは…試合中だけってこと?
「次、佐倉の1番手とですよね?
頑張ってください!」
「あ、ありがと。
梨々香ちゃんも頑張って!」