enjoy!

 「詩歌!
  試合だってば!!早く!」

 「ええ~?遠田と話してたのにー。」

 「早く行くよ!?」

大庭さんは中島さんに手を引っ張られて
コートに入れられていった。

…やっと1人で考えられる時間だ。

次の相手は佐倉の1番手…。
去年の新人戦では都でベスト8。
どの試合も油断はできない。

東さんの顔が頭に浮かぶ。
あの子…なんか怖い。
あの子が笑うと、背中がゾクッとする。
…気のせいなんかじゃない。

 「よっしゃー!!」

大庭さん達…試合終わるの早いな…。
4-0か4-1ってところかな?

 「遠田さん♪」

 「あ、東さん…。」

東さんがにっこり笑う。
…あれ?今度は大丈夫だ。

 「梨々香でいいですって!
  そうしてくれたら、あたしも愛華ち
  ゃんって呼びます。」

 「あ…うん。」

ゾクッとするのは…試合中だけってこと?

 「次、佐倉の1番手とですよね?
  頑張ってください!」

 「あ、ありがと。
  梨々香ちゃんも頑張って!」
< 207 / 267 >

この作品をシェア

pagetop